ジェミニブロック
同じアルファベットは同じ向き、同じ形のブロックの同じ位置に入るように パズル面をいくつかのブロックに分割するパズル。

ジャンル分割
難度★★★★☆


これまでに考案した中で、文句なしに作るのが最も困難なパズルである。

パズルの作り方には、大雑把に分けて二つの手法がある。
一つは、解が唯一になるように、自らも解きつつ
部分的に少しずつヒントを配置していくやり方であり、
もう一つは、あらかじめ用意された解に基づきヒントを機械的に配置し、
解いてみて唯一解ならば完成という作り方である。

私の普段のパズルの作り方としては、

アマチュアといえどもパズル作家たるものそう易々と偶然に頼るわけにはいかない、
というより、偶然できたものが私が頭を悩ませて作ったものより面白くなることは
確率的に低い(ないとも言い切れない)、と思いたいので、
全体の難度バランスや、トリック等を考えつつ
少しずつ問題を構成していく、つまり前者のやり方が一般的な作り方である。

しかし、そのようなやり方ではどうしても作れないような型のパズルに
たまに直面する。前者のやり方で作っていくと、
最後の最後でどうしても矛盾が起こってしまい、
一箇所ヒントをずらすと全体の構成が大きく変わってしまうような場合である。

そのような場合、後者のやり方が有効となってくる。

前者の方法である程度作って、そろそろ危険だと感じたら(ここは勘が頼り)
そこまでの条件を満たす解を予め用意しておき、その解と矛盾しないように
ヒントを決めていくのである。大抵の場合はこれでうまくいく。

しかし、この「ジェミニブロック」はどちらの手法も
有効でないという恐るべきパズルだった。

後者は、偶然に問題ができる可能性が高い場合(事前にそんなことわかるのか?)
のみ有効な手法であるのだが、このパズルはその割合がやたら低く、
何度やっても別解が出てしまうのである。
(それも意地の悪いことに、「ぎりぎり最後の一箇所で」ということがほとんど。)

そこで私は一体どうやってこの困難を乗り越えたかのか?

ここで画期的な手法を思いついたほうがストーリーとしては面白いだろうが
現実にそんなうまい話があるはずもなく、
延々と何時間もかけて問題が成立するパターンを探しだした。

恐らくこのパズルを作ることはもうないだろう。