良いナンプレとは

*** 私も人の子なので、まあ人並には功名心やら名誉欲やら持っています。 率直に言えば、「良いパズル」を作って世間に認められたいです。 しかし、これがなかなか難しいんですよね。「良いパズル」なんて人それぞれですから。 簡単な問題をスラスラ解きたい人もいれば、難しい問題にうんうん唸りたい人もいます。 実際、自分が思い描いている「良いパズル」と 他の人にとっての「良いパズル」には相当な隔たりがあることでしょう。 自分は生まれついてのマイノリティですから、その自信があります。 じゃあ、何をどうすれば「良いパズル」を作ったことになるのでしょうか。 まずこれをハッキリしないことには努力の方向性がつかめません。 これってパズルに限った話じゃなくて、ほとんど全ての分野の クリエイターが悩んでるテーマだと思うんですよね。 この問いに対して明快な解答を与えてしまおう、というのが本コラムの趣旨です。 ともすれば哲学的な深い議論を経なければ到達できないであろう真理に、 数十行程度のコラムで答えようなんてすごいですね。 ここまで読んで、何てうさんくさい文章だと辟易している方が半分ぐらいだと思います。 残りの半分は、ページを開いた時点で「戻るボタン」を押していることでしょう。 そんな方でも、この先の説明を読んでもらえば、思っていたよりはまともで まあまあ理にかなっている考えであることを納得していただけるはずです。たぶん。 では早速、本題に入りましょう。 このアイデア自体は非常にシンプルで、 「良いパズルとは何か」を考えるのではなく 「良いパズル作家とは何か」を考えるべきである というものです。 … 何を言っているのかよくわからないと思うので、 とりあえず具体例を示しながら進めることにします。 上の問題は「ナンプレ」でググって見つけたサイトから適当に取ってきたものです。 これを見て、どう感じるでしょうか。 別にみなさんが「これは悪い問題だ」という判断を下されることを 期待しているわけではありません。むしろその逆です。 正直、自分もこの問題が良い問題だとは思いません。 ヒントの配置はデタラメですし、それより何より複数解があります。 「オレランク」をつけるなら間違いなく最下層に位置する問題です。 かといって、それがなぜ悪いことなのかと言われると 万人を納得させるだけの論理を構築できる自信がありません。 「ランダムな配置の方が好きなんだ!」 「複数解があったって良いじゃない!」 「俺様に逆らう者は死刑!」 と言われたら、引き下がるより他ないです。 だってその人がそう感じるんですから、 人の価値観にずかずか踏み込むわけにはいきません。 何をもって「良いパズル」と言ったところで、 独りよがりの範疇を超えるのは困難です。 つまり、「良いパズルとは何か」という問いからスタートするのは 自分のスキルを他人に認めさせる方法としてはあまり巧くない。 ってのがここで確認しておきたいことです。 じゃあどうすれば良いのか。 そこで「良いパズル作家とは何か」ですよ。 「良いパズル」について何がしか意味がある主張を述べるのは難しくとも、 「良いパズル作家」については、割と簡単に客観的な議論が可能である。 というのが、ここで述べたいことの大筋です。 続く
戻る   ]
 制作 稲葉 直貴

アクセス解析&SEM/SEO講座 for オンラインショップ開業/運営