*** これまで生きてきて一度も「死」について考えたことがない という人はいないんじゃないでしょうか。 多くの人は、自分もいつかは死ぬということを覚悟しており、 と同時に、そのときがまだかなり先であると楽観視することで とりあえずの今をそれなりに楽しく生きていることと思います。 しかし、私の場合はちょっと違って いつかは「死ぬ」ということを覚悟しておりません。 そろそろ寿命が有限でない時代が来ても良いんじゃないかと。 そうなるには、まだ少し時間がかかると思いますけど、 コールドスリープみたいに、ただ何もせずに身体を維持するだけなら 何とか自分が生きてる間にできるようになるんじゃないかと期待してます。 それで人間の寿命に対するあらゆる障害が取り除かれた時代に行けたら良いなと。 記憶の有無に関わらず、誰にも「死」が恐かった時期が あると思うんですよね。それでもまあ何とかそれぞれ独自の方法で そういう時期を乗り越えてきてるわけなんですけど、 私の場合、小学生の高学年くらいでしょうか、 「死ななければ良い」という方法でこれを回避し、 現在も同様にそう信じることで精神の安定を得ております。 こういう話を周りの人達にすると、大抵は冗談だと思ってくれるらしく、 それ程おかしな人だとは見られずに助かっております。 それらの人達から話を聞くと、苦痛は嫌だがそれがなければ いつ死んでもでも構わないという答えが帰ってくるんですが、 これが多数派なのか、たまたま私の周りにそういう人が多いだけなのか いまいち計りかねるところですね。 私にしても、100%確実に死なないことが保証されているとは思ってません。 正直なところ、良くて50%といったところでしょうか。 これは常人から見れば異常と言っても良い数値ですが、信仰というには弱いですね。 ですから、いつかは死ぬんだという「覚悟」の時期を 単に後回しにしているだけなのかもしれません。 それでも死の恐怖から逃れるという機能は果たしているので 別に問題はないんですけどね。 … S「そういう宗教が作れるんじゃない? お布施を集めてコールドスリープの研究費に充てて、 その代わり実現したら信者に優先的に使わせる。」 N「そいつは良い考えだ。」 H「僕を幹部にしてください。」 J「…。」 こうして出雲の夜は更けていく…。