*** いつもとそれほど変わらぬのどかな研究室の午後のこと… J「ゲータレードを買ったらこれがついてきたんですけど、何だかわかりますか。」 そう言ってJが見せたのは手のひらサイズのスイッチのような物体であった。 N「何ですか、自爆ボタンですか。」 とりあえず押してみた。 カチャン。 良く見ると上の方に数字が見える。カウンターのようだ。 続けて押してみる。 カチャン、カチャン、カチャン。 20を超えたところでカウンターの数字が0に戻った。 N「少なっ!」 J「おまけで付いてきたオモチャですからね。仕方ないですよ。」 カチャン、カチャン、カチャン。 持っているとついつい押してしまう。 N「じゃあ、これを使ってゲームをしましょう。」 J「どんなゲームですか。」 N「スイッチを順番に押して20になった方が負けです。 押す回数は1、2、3のどれかしかダメ。」 J「最初に3回押すのが必勝法ですか。」 N「そうですね。19を取れば勝ちなので、 先に3を取れば残りが4の倍数なのでそれで勝てます。 それじゃあ、始めましょうか。」 J「いやいや、ちょっと待ってくださいよ。 それ先手を取るか後手をとるかのじゃんけん勝負でしょう。」 N「それもそうですね。じゃあこういうのはどうですか。 前の人が押した回数は押せない。」 J「そうなると簡単にはわかりませんね。」 N「そうですね。僕もわからないです。」 J「必勝法なんてないんじゃないですか。」 N「それ良いですね。」 こうして僕らの熱き戦いが始まった。 後編に続く。